軒天材が剥がれてしまっている状態です。

また、ベランダの正面部も手で押すだけでグラグラと動く状態のため、おそらく構成部の下地木材がこの時点である程度の予想がつきます。

軒天材を全て剥がすと、下地となる持ち出し梁の大部分に雨漏りによる腐食がありました。

ベランダ下の屋内には雨漏りの跡がないため、壁際まで雨漏りはしていないことがわかりました。

正面部のサイディングボードを剥がしてみると、予想以上に下地構成部が腐食していました。間柱・笠木はほぼ朽ちて存在していない状態です。

防水シートの雨漏り跡から、笠木板金からの雨漏りと考えられます。

ベランダ正面の桁も腐食が激しかったため、雨漏りが長期間起きていたことがわかります。

持ち出し部分に体重をかけると、ベランダが崩壊する可能性すらある腐食具合です。

側面の雨漏りはなかったため、正面部のみの解体とし、剥がしたサイディングボードは再利用してご予算内で改修を施工していきます。

間柱・笠木をつくるための桁を持ち出し梁に設置しなければなりませんが、既存の持ち出し梁は朽ちている箇所が多かったため、壁際の固定可能な既存下地にしっかり固定してきます。

増設した持ち出し梁が動かないことを確認した後、桁と野地板を設置していきます。

今回のご住宅は２×４工法で設計されているため、従来の設計通りに野地板は正面部にのみ設置していきます。

間柱と笠木を設置していきますが、ベランダ側面部の笠木も腐食がみられたため、側面の笠木も交換し、固定していきます。

この時点でベランダはまったく動かないほどに、従来の強度を取り戻しています。

２×４工法のため、間柱の枠組みに固定する野地板は構造用面材となります。

防水シートは笠木にも設置し、仮にこの後に設置する笠木板金を通り超して雨水が侵入してきても、構成部を守ってくれます。

お客様のご要望で、サイディングボードは再利用させていただきました。

サイディングボードを設置した後、笠木とサイディングボードを覆う形で防水テープを貼っていきます。

笠木板金を設置し、取り合い部からの雨漏りを防ぐためにシーリングを塗っていきます。

お客様のご要望でサイディングボードを再利用します。サイデイングボードは外す際にビス穴ができたり、多くの場合一部が破損してしまいます。そのため、美観のために化粧塗りを施工させていただきました。

防水の耐用年数はおよそ１０年とされています。

防水塗膜のひび割れ・浮き・水溜まりといった症状がでてくると、勾配不良や水捌けの悪さのために雨漏りを引き起こしてしまいます。

高圧洗浄機で水洗い、ケレン作業を施工していきます。

ベランダの立ち上がり（水平部と垂直部の取り合い）は、築年数の経過とともにひび割れを起こしてくるため、塗装が可能な変性コーキングを塗り込んでいきます。

経年劣化した防水塗膜を撤去した後、下塗りとしてプライマー処理を施工していきます。

ウレタンとはプラスチックの一種で、ウレタン結合によって生成される「樹脂」のことです。

ウレタン防水は「ウレタン樹脂」を重ね塗りをすることで防水層を形成させる防水施工のことで、バルコニーなどの外部床の雨漏りを防ぐ施工となります。

ウレタン防水は重ね塗りをすることで防水層を形成していくため、２回目の重ね塗りが重要です。防水層を厚く形成していきます。

最後に、ウレタン防水による防水層を保護するために、トップコート（塗装における上塗り）を施工していきます。

ウレタン防水の防水層は雨風や紫外線の影響を受けやすく、トップコート（上塗り）をなしに施工すると、防水機能の寿命を短くしてしまうのでとても大切な工程となります。